僕らにはなじみの深いアメリカの「フィルムメーカー」、イーストマンコダック社が経営破綻したそうです。
僕が駆け出しのころ、プロが使うフィルムはコダックが当たり前でした。
中学生のころから、モノクロフィルムといえばTry-Xが標準でしたし、プロになってからはEPRという、優れたリバーサルフィルム(主に印刷用のフィルム)に、大変お世話になりました。
ほかにERというフィルムがありましたが、プロが使うのはEPRです。
お察しだと思いますがEPRの「P」はプロフェッショナルのPです。
EPRはプロが使うことを前提に、徹底的に品質管理され、ロットごとのデータも公開されて非常に安心感のある提供のされかたをしていました。
(今思うと、後述する富士フィルムに比べて「安定感」は無かったのかな?)
その後、メイドインジャパンの富士フィルムのRDPの出現で、僕も乗り換えたのですが、RDPもクセがあるフィルムだったので、対象によってはEPRを併用する時期が結構長かったように記憶しています。
さらに、完全オールマイティなRDP2の発表で完全にコダックと訣別することになり、現在まで一本も使っていません。
本日のテレビ番組によると、経営悪化の原因はデジタル化への対応が遅れたため、とありました。
おや?デジカメのパイオニアといえばコダックじゃなかったかな?と思ったのですが、同番組では経営陣が「フィルム」にこだわり、デジタル事業を積極的には推進しなかったとの事。
「ばっかじゃねーの?」
どんなにお世話になったメーカーと言え、これは同情の余地がありません。
冒頭に括弧をつけて称号をフィルムメーカーと記したのは、完全に皮肉(イヤミ)です。
これから事業再生の作業をしていくようですが、素人目に見ても無理な話でしょう。
歴史ある、今まで大いに社会に貢献してきた企業がバカな雇われ経営者の手で消えて行くとしたらとても悲しいことです。
あ、皆様、本年もワイズ・クリエイティブをよろしくお願いいたします。